コンサルタントに向いている人はどんな人?必要なスキルや具体的な仕事内容なども紹介

コンサルタントに向いている人はどんな人?必要なスキルや具体的な仕事内容なども紹介

コンサルタントは、企業や組織の課題解決を支援するプロフェッショナルであり、多岐にわたるスキルや知識が求められる仕事です。しかし、コンサルタントと聞いて「具体的にどのような業務を行うのか」「どんな人が向いているのか」など、明確なイメージを持つ人は少ないかもしれません。

この記事では、現役コンサルタントの視点を交えながら、コンサルタントの仕事内容や必要なスキル、さらに向いている人の特徴を詳しく解説します。また、経営、戦略、IT、SAP、PMOといった主要な分野にフォーカスし、それぞれの専門性や求められる能力についても触れていきます。

コンサルタントは決して簡単な職業ではありませんが、自分の強みを活かしながら成長できる魅力的なキャリアです。この記事を通じて、コンサルタントという職業の全体像を理解し、自分に適した分野を見つける一歩を踏み出してみてください。

本記事のまとめ
  • コンサルタントに向いているのは、論理的思考ができ、コミュニケーション能力が高い人。また、答えのない問いに取り組むことを楽しみ、長時間の業務や自己研鑽を厭わない人
  • コンサルタントには経営、戦略、IT、SAP、PMOなど様々な分野があり、自分の興味や適正に合わせて、最適な分野を選択することが重要

この記事の監修者

保知 一也
Acrosstudio株式会社 代表
KPMGコンサルティングを経て、Acrosstudio株式会社を創業。事業立ち上げ1年で売上3億円・社員数25名まで事業を拡大。前職におけるSaaS導入支援の経験を基に、SaaS事業のクライアントに対してコンサルティング・組織組成・アジャイル開発・BPO等を専門に支援。

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この記事の執筆者

Acrosstudio株式会社
コンサル総研編集部

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

目次

そもそもコンサルタントとは?

コンサルタントは、企業や組織が抱える課題を解決し、目標達成を支援する職業です。

専門的な知識とスキルを駆使し、戦略立案や業務改善、ITシステムの導入、人材マネジメントなど、多岐にわたる分野で活動します。クライアントと緊密に連携しながら、最適な解決策を提案し、実行をサポートする役割を担います。

コンサルタントの具体的な業務には、企業の将来を見据えた経営戦略の策定や、非効率な業務プロセスの分析と改善提案が含まれます。IT分野では、システムの導入や既存システムの最適化を通じて業務効率を向上させます。さらに、人材活用においては、採用戦略の見直しや組織改革を通じて、企業全体のパフォーマンスを引き上げます。財務面では、資金調達計画や投資戦略の立案により、企業の安定と成長を支援します。

このように各分野ごとに専門性を発揮しクライアントのビジネスサポートを行うのがコンサルタントです。

コンサルタントの最大の特徴は、課題解決に向けて柔軟かつ迅速に対応できること。クライアントのニーズを深く理解し、現場での実践的な提案と結果にコミットする姿勢が求められます。その結果、企業の競争力を強化し、新たな成長機会を創出することが期待されています。

コンサルタントに向いている人の特徴を現役コンサルタント視点で紹介

コンサルタントとして成功するためには、いくつかの重要な特性やスキルが必要です。現役のコンサルタントの視点から、どのような人がコンサルタントに向いているのかを紹介します。

自己研鑽ができる人

コンサルタントは、変化の激しいビジネス環境で課題解決に取り組むため、常に知識をアップデートする必要があります。クライアントが抱える課題に対して有効な解決策を提案するには、業界の最新トレンドや競合情報を短期間で習得しなければなりません。

新しい市場に進出する企業を支援する際には、進出先の規制や消費者行動の特性を迅速に理解することが欠かせません。また、デジタル技術を活用したプロジェクトでは、最新のツールやシステムに精通し、クライアントが直面する技術的な課題に具体的な改善案を提示する必要があります。

さらに、プロジェクトごとに異なる課題に直面するため、新しい分析手法やプロジェクト管理の知識を都度学び、即座に活用する力が求められます。このような自己研鑽の積み重ねが、クライアントから信頼される高品質な提案を生み出します。

学びを成果に結びつけられる人は、クライアントに大きな価値を提供できるだけでなく、長期的にコンサルタントとしての成長を遂げることができます。

答えのない問いを考えるのが好きな人

ンサルティングでは、正解が一つに定まらない複雑な課題に挑むことが求められます。デジタル化が進んでいない企業の成長戦略を設計する場合など、現状を分析し、仮説を構築しながら最適な解決策を探る必要があります。

このようなプロセスには、柔軟な思考と粘り強さが欠かせません。課題に多角的な視点で取り組み、次々とアイデアを試しながら、クライアントにとって価値のある結果を導ける人は、コンサルタントとして高く評価されます。

答えのない問いを解き明かす過程を楽しめる人は、課題解決において大きな成果を上げる可能性があります。

論理的思考ができる人

コンサルタントには、物事を整理し、筋道立てて考える論理的思考が必要です。クライアントの課題を的確に分析し、データを活用して解決策を提案する際に欠かせないスキルといえます。

論理的思考が欠けている場合、問題の本質を見誤る危険があります。一例としては、業務改善を提案する際、コスト削減の具体的な効果を明示できなければ、クライアントの納得を得られません。また、複数の選択肢を提示する際、それぞれの利点や欠点を整理できないと、意思決定の支援が不十分になる可能性があります。

課題を体系的に理解し、論理的に整理する力を持つ人は、クライアントに信頼されやすくなります。適切な解決策を分かりやすく伝えられるため、プロジェクトの成功を引き寄せることができます。

長時間の業務に耐えることができる人

コンサルティングプロジェクトでは、納期が迫る中で複数のタスクを並行して進める必要があり、長時間にわたる集中力と継続的なパフォーマンスが求められます。クライアントとの会議が連日続き、提案書の修正や追加分析が深夜まで行われることも珍しくありません。

コンサルタントに長時間労働が発生する理由として、プロジェクトの特性が挙げられます。まず、短期間で高品質な成果を求められるため、タイトなスケジュールで作業を進める必要があります。さらに、クライアントからの要望がプロジェクト中に変更される場合、それに即応する柔軟性が求められるため、計画外の作業が増えることもあります。また、プロジェクトの並行稼働が一般的であり、複数の案件をバランスよく進める必要があるため、一つの案件に集中する時間を確保するのが難しくなることも要因です。

長時間の業務が求められる状況を乗り越えることで、大きな達成感を得られるだけでなく、自分自身の限界を超える経験を積むことができます。困難なプロジェクトを成功させた後には、プロジェクト全体を通して得たスキルや知識が次のキャリアステップに繋がる武器となります。

さらに、クライアントやプロジェクトチームとの密な連携も欠かせません。進捗を共有し、協力しながら作業を進めることで、全員の負担を軽減し、プロジェクトを成功に導けます。このような協調性を発揮できる人は、コンサルタントとして長期的に活躍しやすいでしょう。

自責思考がある人

コンサルタントには、問題が発生した際、自分の行動を振り返り、改善策を講じる姿勢が求められます。他人に責任を押し付けるのではなく、自ら行動する意識がプロジェクトの進行を支えます。

納期が迫るプロジェクトでは、自分のタスクを再評価し、効率化を図ることで全体の進行を立て直す場面もあります。こうした姿勢は、チーム内での信頼を高めるだけでなく、クライアントにも誠実さを示す結果につながるでしょう。

さらに、自責思考を持つ人は失敗を成長の機会に変えることができます。厳しいフィードバックを受けた際にも、何が不足していたのかを考え、次の提案に反映することで信頼を回復する可能性があります。このような行動がクライアントとの長期的な関係構築を後押しします。

また、自責思考のある人がいることでチーム全体の士気が高まります。自らの行動を改善し続ける姿勢は、周囲に良い影響を与え、プロジェクト全体の成果を底上げします。このような人材は、コンサルタントとして不可欠な存在となるでしょう。

コミュニケーションが好きな人

コンサルタントは、人と話す場面が多い仕事です。どの仕事でも人と話すことはありますが、コンサルタントはクライアントの支援をするため、クライアントはもちろんのこと社内メンバーと密に連携することが必須となります。

クライアントの要望を正確に理解し、課題を整理して提案を行うためには、ただの会話でのコミュニケーションではなく、相手の質問を瞬時に理解し端的に結論ファーストで回答するなど優れたコミュニケーション能力が必要です。

曖昧な要望を明確化し、わかりやすく説明できる力が、プロジェクト成功の鍵となります。

未経験からコンサルタントへの転職する選考対策やポイント」についても解説しているので、ご覧ください。

分野別にコンサルタントの仕事を紹介!向いている分野をチェック

コンサルタントには多くの専門分野がありますが、ここではマーケティングコンサルタントや人材コンサルタントなどではなく、企業の経営や業務の課題を解決する、いわゆるビジネスコンサルティングの分野に焦点を当てて解説します。

以下に、主要なビジネスコンサルティングの分野と、それぞれの仕事内容や向いている人の特徴を詳しく解説します。

経営コンサルタント

経営コンサルタントは、企業全体を俯瞰し、経営課題を解決するプロフェッショナルです。この分野では、経営戦略や業務改善、組織改革など、多岐にわたる支援を行います。企業の成長を支える中長期的な戦略を構築し、現場での実行支援を通じて成果を出します。

この仕事は、難易度が高いことで知られています。クライアントの経営状況を的確に理解し、限られた時間の中で最適な提案を行うため、高度なスキルが必要です。特に、データ分析力や課題発見力に加え、経営全般への深い理解が求められます。また、クライアントの期待に応えるだけでなく、それを超える価値を提供する姿勢が不可欠です。

前提として、ビジネス全般に興味があり、幅広い業務経験や知識を持つことが重要です。例えば、経営企画や事業部門での経験、もしくは財務分析や市場調査のスキルがあると、即戦力として活躍しやすいでしょう。新しい業界や未経験の分野に挑む際も、柔軟に学び続ける姿勢が問われます。

経営コンサルタントに向いている人は、複雑な課題を冷静に整理し、最適な解決策を導く力を持つ人です。また、チームやクライアントと密にコミュニケーションを取りながら、プロジェクトを成功に導ける協調性も重要です。このようなスキルや適性を備えた人は、クライアントから信頼され、長期的なキャリアを築くことができるでしょう。

戦略コンサルタント

戦略コンサルタントは、企業の将来を左右する重要な意思決定を支援するプロフェッショナルです。この分野では、競合分析や市場調査を基にした戦略立案、新規事業の設計、成長戦略の実行支援などを手がけます。特に、企業が直面する複雑な課題に対して論理的にアプローチし、新しい視点を加えることで、現実的で革新的な解決策を提供します。

戦略コンサルタントの代表的な活躍の場として、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーなどの大手戦略コンサルティングファームがあります。これらの企業は、国内外の大手企業や政府機関をクライアントに持ち、新規事業立ち上げやM&A戦略、グローバル市場への進出計画など、多岐にわたるプロジェクトを手がけています。

この仕事では、迅速な仮説構築や論理的な分析力が求められます。例えば、短期間で市場の動向を掴み、競合の強みと弱みを整理しながら、クライアントの成長を促進する具体的な戦略を提案するスキルが重要です。柔軟な発想と冷静な判断力を組み合わせることで、クライアントの課題を的確に解決します。

戦略コンサルタントに向いているのは、データや情報を的確に分析し、迅速に結論を導き出す力を持つ人です。また、プレッシャーの中でも集中力を維持し、チームと協力しながら成果を追求できる人が求められます。これらのスキルを備えた人材は、クライアントからの信頼を得るだけでなく、コンサルタントとしてのキャリアを長期的に築くことができるでしょう。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、テクノロジーを駆使して企業の課題を解決する専門家です。業務効率化、システム導入支援、IT戦略の立案などを中心に活動します。特に、企業がデジタル変革を進める中で、ITコンサルタントはそのプロジェクトを成功に導く重要な役割を担います。

この分野で活躍する代表的な企業には、アクセンチュアやデロイト、PwC、KPMG、EY(いわゆるBIG4)があります。これらの企業は、幅広い業界を対象に、ERP導入やクラウド移行、サイバーセキュリティ強化といった多岐にわたるプロジェクトを手がけています。また、アクセンチュアは特にデジタル技術やAI、クラウド活用に強みを持ち、デロイトや他のBig4は企業全体の経営視点からITを組み込んだソリューションを提供しています。

ITコンサルタントには、技術的な知識と同時にプロジェクト全体を管理する能力が求められます。例えば、大規模なERP導入プロジェクトでは、技術面の詳細だけでなく、ステークホルダー間の調整やスケジュール管理も必要です。最新のテクノロジーに興味があり、問題解決のためにチームを率いて取り組む力がある人に適しています。

この仕事に向いているのは、常に新しい技術を学ぶ意欲があり、ITに関する知識を現場での実践に活かせる人です。また、複雑なプロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーション能力や調整力も欠かせません。これらのスキルを持つ人は、企業のデジタル変革を支える存在として高く評価されるでしょう。

SAPコンサルタント

SAPコンサルタントは、ERP(Enterprise Resource Planning)システムであるSAPの導入や運用をサポートするスペシャリストです。SAPとは、ドイツに本社を置く企業SAP SEが提供するERPソフトウェアで、財務、販売、在庫管理、人事など、企業のさまざまな業務を一元的に管理・最適化するためのツールです。世界中の多くの企業で利用されており、その導入や運用をサポートするSAPコンサルタントは、現代のビジネス環境で非常に重要な役割を担っています。

この分野では、業務プロセスを最適化し、クライアントのニーズに応じたシステムのカスタマイズやトレーニングを行います。具体的には販売管理プロセスを効率化したり、財務データをリアルタイムで分析できる仕組みを構築するなど、企業の競争力を高めるための具体的な施策を提案します。

SAPコンサルタントが現在特に需要が高い理由として、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展があります。多くの企業が旧来のシステムから脱却し、より効率的でデータ駆動型の業務運営を目指しているため、SAPのような高度なERPシステムの導入が急速に進んでいます。また、SAPは2027年までに現行のオンプレミス型システムからクラウドベースのSAP S/4HANAへの移行を進めており、この対応をサポートするコンサルタントの需要が急増しています。

SAPコンサルタントに求められるのは、ERPシステムの知識だけではありません。企業の業務内容を深く理解し、それをシステム設計に反映させる力が不可欠です。また、システム運用後もトラブル対応や継続的な改善提案を行うため、細部に目を配る正確さと長期的なサポートを提供する姿勢が重要です。

この仕事に向いているのは、業務プロセスを分析する力に優れ、技術的な知識をビジネス課題解決に活かせる人です。また、企業の変革を支援するやりがいを感じながら、クライアントと長期的な信頼関係を築ける人が活躍しやすい分野といえます。

PMOコンサルタント

PMOコンサルタントは、プロジェクトの円滑な進行を支え、成功へ導く役割を担います。PMO(Project Management Office)とは、プロジェクト全体を監督し、プロセスや進捗を標準化・効率化する組織や部門を指します。PMOはプロジェクトの計画、実行、モニタリング、完了までのプロセスを体系的に管理し、組織全体で一貫性のある成果を出すために重要な役割を果たします。

PMOコンサルタントは、プロジェクト管理の標準化や進行中の課題解決、成果物の品質向上に注力します。たとえば、スケジュール管理、リスク評価、リソース配分の最適化といったタスクを通じて、プロジェクトの目標達成をサポートします。また、プロジェクト間の優先順位を明確化し、リソースを効率的に割り当てることで、全体の成功率を高めます。

近年、PMOコンサルタントの需要は増加傾向にあります。その背景には、企業が複数のプロジェクトを同時に進める複雑な環境に対応する必要性が挙げられます。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、プロジェクトの規模や範囲が拡大していることも要因です。PMOは、これらの変化を効率的に管理するための重要な仕組みとなっています。

PMOコンサルタントに向いているのは、複雑な状況を整理し、タスクを体系立てて実行できる人です。また、プロジェクトメンバー間のコミュニケーションを円滑にし、問題を迅速に解決する力が必要です。これらのスキルを持つ人は、クライアントから信頼され、プロジェクトの成功に大きく貢献できます。

まとめ

コンサルタントは、企業や組織の課題解決を支援する専門家として重要な役割を果たしています。この職業に向いている人は、自己研鑽に励み、論理的思考ができ、コミュニケーション能力が高い傾向があります。
また、答えのない問いに取り組むことを楽しみ、長時間の業務にも耐えられる体力と精神力を持っていることが求められるでしょう。

コンサルタントには様々な専門分野があり、経営、戦略、IT、SAP、PMOなど、それぞれに特有のスキルや知識が必要です。自分の興味や適性に合わせて、最適な分野を選択することが重要です。

コンサルタントとしてのキャリアを考えている方は、自身の特性や強みを客観的に評価し、必要なスキルを磨くことが成功への近道となるでしょう。常に学び続ける姿勢と、クライアントの課題に真摯に向き合う態度を持ち続けることで、あなたも企業の成長と社会の発展に貢献する優れたコンサルタントになれるはずです。

別記事では、「コンサルタントとして働く「やりがい」とは?」についても解説しているので、チェックしてみてください。

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この記事を書いた人

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

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