副業としてフリーコンサルタントに挑戦することは、専門知識を収益に変える絶好のチャンスです。自分の経験やスキルを活かしながら新たな収入源を確保できる点が大きな魅力と言えます。
一方で、具体的に何から始めるべきか迷う方も多いのではないでしょうか。案件の探し方やエージェントの選び方に悩むことも、初めての挑戦では避けられません。
本記事では、副業としてフリーコンサルタントを始める方法を解説し、注意すべきポイントやおすすめのエージェント情報をお伝えします。副業を検討している方は是非参考にしてください。
- 副業でフリーコンサルとして働きたいなら、コンサルプラットフォームサービスの登録が最も案件を獲得しやすい!
- 単価相場は案件により異なるが、固定報酬型の契約では、月額で20万円から50万円程度が一般的
この記事の監修者
保知 一也
Acrosstudio株式会社 代表
KPMGコンサルティングを経て、Acrosstudio株式会社を創業。事業立ち上げ1年で売上3億円・社員数25名まで事業を拡大。前職におけるSaaS導入支援の経験を基に、SaaS事業のクライアントに対してコンサルティング・組織組成・アジャイル開発・BPO等を専門に支援。
この記事の執筆者
Acrosstudio株式会社
コンサル総研編集部
Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。
副業でフリーコンサルの始め方
結論、副業でフリーコンサルを始める方法としては、コンサルプラットフォームサービス(案件紹介マッチングサービス)に登録してエージェントに相談することが最も有効な始め方です。
もちろん、人脈を活用した案件獲得(知人の紹介や過去のクライアントからの依頼)も選択肢の1つですが、フリーランスになる方やまだ十分な人脈を築けていない方は、プラットフォームを活用する方が現実的で成功率も高いでしょう。エージェントはあなたの経歴やスキルを基に最適な案件を提案してくれるため、まずは登録して無料相談を受けるところから始めることをおすすめします。
また、始める際の事前準備として自身の強みの整理と、稼働率の算出が重要です。
自分の経験や専門性を明確にすることで、エージェントやクライアントに対して効果的にアピールできるだけでなく、スキルアンマッチな案件を紹介されてしまうリスクを減らすことが可能です。スキルアンマッチな案件にアサインされてしまうと、クライアントからのクレームや自身の仕事のパフォーマンスの低下に繋がってしまったり、単価が低く見積もられてしまったりというリスクに繋がります。一方、スキルマッチな案件に適切にアサインされることで、単価が自身のスキルに見合った・高単価な案件に入れたり、キャリアアップやクライアントとの信頼関係・人脈の構築などがしやすくなります。
そのため、フリーランスや副業を始める際は、まず案件紹介のプロである会社が運営しているサービスに登録をして、面談を行い、自身のスキルや強み・キャリア観などをしっかり理解してくれる担当をつけることで今後の働き方を優位に進めるための準備が重要になります。
また、面談の際に稼働率をしっかり伝えることも重要なポイントです。フリーコンサル市場では稼働率100%の案件が多く、フルタイムでの稼働が求められることが一般的です。ただし、稼働率の低い案件も存在するため、副業としてフリーランスの案件をこなす・複数案件をこなす・自分の事業と並行して案件に入りたいなどの事情でフル稼働以外の案件を求めている場合は、エージェントとの相談を早めに行いましょう。
副業で獲得できるフリーコンサルタントの案件例
副業でフリーランスコンサルタントとして案件に入る場合は、コンサルティングファームで培った経験や専門知識を活かすことがほとんどです。コンサルタントは高単価な案件が多く、クライアント企業の課題を解決することを求められるため、その企業が求めている分野の深い知見を持っているということが必須条件です。
自身の経験でどのような案件を獲得できるかという点については、専門のエージェントに相談することが一番効率的です。今回は実際に市場に出ている案件のイメージを掴みやすいよう、例として1つの案件を紹介します。
例①:地方電力会社へのPowerBI開発・保守支援
【業種】
エネルギー
【クライアント】
地方電力会社
【案件内容】
案件は以下の2つ(①20h②10h程度、精算可能)
①各事業部がExcel等で集計しているデータ分析作業を効率化した上で BIを開発
②カットオーバーした BIを保守・運用
【条件】
単価:100万円/人月
稼働率:20%前後
出社頻度:フルリモート
フリーランスコンサルを選択肢として考えている人のほとんどは、自分がどの分野のコンサルタントとして活動するかのイメージはついていると思います。案件紹介サービスに登録する場合は、そのサービスがどの分野の案件に特化しているかなどを知ると選びやすくなります。
以下は、案件紹介サービスが保有している領域の代表例とそれぞれの案件の特徴です。コンサルティングファームに勤めたことがある人であれば基本的な知識ですが、フリーランスコンサルとして活動する前に今一度確認し、案件紹介サービスの選定などに役立てましょう。
ITコンサル
ITコンサルは、企業が抱えるITシステムの課題を解決する役割を担います。現行システムの改修・運用保守や新しいシステムを導入する際の要件定義やベンダー選定の支援、セキュリティ対策などが典型的です。技術的な知識だけではなく、クライアント企業の業務に合わせた形でシステムを導入するため、クライアント企業の業務や業界への深い理解も必要です。
近年では、プロジェクト管理に特化したPMやPMOの需要も増えています。これらの案件では、進捗・課題管理やリスク対応・部署や取引先を横断した調整など、プロジェクトの品質担保や納期・予算通りの完了まで導く役割が求められます。特に昨今のデジタル化の加速に伴い、こうしたポジションへの期待が高まっています。
経営コンサル
経営コンサルは、企業の経営戦略や組織の変革を支援する役割を果たします。
市場の分析や競合調査を通じて事業計画を立案し、実行可能な施策を提案します。企業全体を俯瞰する視点と、実践的な提案力が求められます。支援内容は案件によって様々ですが、新規事業の立ち上げや海外展開の際の調査~計画であったり、資金調達計画・中長期の経営計画策定などが挙げられます。
経営層と直接対話し、ビジョンを共有しながら課題解決を進める点で、高い専門性と柔軟性・コミュニケーション能力などが必要とされます。また、経営層や役員クラスへの提案が主となるため、調査・分析の精度の高さや資料のクオリティなどアウトプットを厳しく見られるのも特徴です。
組織・人事コンサル
組織・人事コンサルでは、企業の人材活用や組織運営の最適化を支援します。人事・評価制度の見直しや人材育成プランの作成、採用戦略の構築などが主な業務です。組織の現状や経営層が求める理想像・課題を本質的に理解し、具体的な改善策を提示する力が求められます。
案件の具体例としては、社員のパフォーマンス向上を目的とした育成プログラムの設計や、離職率低下を目指した労務管理の改善などがあります。組織体制や人材にアプローチすることで、人件費や企業の成長・人材のパフォーマンス向上による利益増など、抜本的な改革や成長を後押しすることができる仕事です。これらは企業文化の変革にもつながるため、重要な役割を担います。
Webコンサル
Webコンサルは、企業のオンラインプレゼンスを高めるための支援を行います。SEOの最適化やSNS戦略の立案、Web広告の運用が主な業務です。デジタルマーケティングの知識を駆使して、クライアントの目標達成をサポートします。
具体的には、Webサイトのパフォーマンス向上やコンテンツ戦略の改善を提案し、追っているKPIを最大化するための施策を実行します。データ分析のスキルも重要で、これを基にした実行力が求められます。
副業フリーコンサルタントの単価相場
副業としてフリーコンサルを行う場合、報酬は専門分野や経験、契約形態によって異なります。
単価は、一般的に1時間あたりの金額を基準に決定されることが多いです。基準として、フルタイムの160時間稼働(月20日×1日8時間)を想定して計算されます。
例えば、月額報酬が160万円の案件の場合、時給換算では1万円になります。もし、稼働時間が20時間程度であれば、報酬は20万円程度になる計算です。この仕組みから、副業フリーコンサルタントの単価は、契約する稼働率と報酬単価の掛け合わせによって決まります。
ITコンサルや経営コンサル、組織・人事コンサルの場合、1時間あたり1万円から3万円の範囲が多いです。固定報酬型の契約では、月額で20万円から50万円程度が一般的です。ただし、報酬は案件の内容やクライアントの規模、求められる専門性によって変動します。
副業では、フルタイム稼働が難しいケースが多いため、自身のスケジュールやスキルに応じた単価設定を意識することが重要です。稼働率が低い場合でも高単価の案件を狙うことで、効率よく収入を得ることができます。
フリーコンサルタントの年収相場の詳細を知りたい人は「フリーコンサルタントの年収相場や年収が決まる要素について解説」をご覧ください。
フリーコンサルタントを副業でやる際の注意点
副業としてフリーコンサルタントを行う場合、いくつかの点に注意する必要があります。
本業を疎かにしてはいけない
アウトプットの品質にこだわる
確定申告を忘れない
休みの時間が減る
これらを理解し、実践することで、副業の成功と本業のバランスを両立することが可能です。
本業を疎かにしてはいけない
副業に力を入れすぎて、本業が疎かになることは避けるべきです。本業での評価や信頼を損なうと、キャリア全体に影響を及ぼす可能性があります。スケジュール管理を徹底し、タスクの優先順位を明確にすることが重要です。副業の時間を効率的に活用し、両立を目指しましょう。
アウトプットの品質にこだわる
副業であっても、提供するコンサルティングの質が高いことが求められます。クライアントに対してプロフェッショナルな姿勢を示し、期待に応えるアウトプットを心がけることが信頼関係を築く鍵となります。信頼を得ることでリピーターが増え、長期的な収入の安定にもつながります。
確定申告を忘れない
副業で得た収入は確定申告が必要です。税務上の問題を防ぐため、収入と経費を正確に記録することが大切です。特に、副業を始めたばかりの方にとって、税務の知識は不足しがちです。早い段階で税理士に相談することで、適切な対応が可能になります。
休みの時間が減る
副業に時間を割くことで、休息の時間が不足しがちになります。長時間の労働が続くと、集中力や体力が低下し、本業と副業の両方に悪影響を及ぼす可能性があります。意識的に休息を取り、適度なリフレッシュを行うことで、高いパフォーマンスを維持することができます。
別記事で「フリーコンサルタントやめとけと言われる理由は?」という記事もあるので、フリーコンサルタントになることが不安な人はこちらもチェックしてみてください。
フリーコンサルタントで副業したい人向けの案件紹介サービスサイト
副業でフリーコンサルタントを始める際には、案件を見つけるためのサービスサイトを活用することが効果的です。おすすめのサービスサイトをいくつか紹介します。
フリーコンサルタント.jp
「フリーコンサルタント.jp」は、フリーコンサルタント向けの案件マッチングで実績のあるエージェントサービスです。株式会社みらいワークスが運営しており、国内最大級の規模を誇ります。業界内でも草分け的な存在として知られており、幅広い分野の案件を取り扱っています。
IT系の案件が多い印象を持たれがちですが、それ以外にも人事や法務、Webコンサルティングといった案件も提供されています。副業向けの稼働率が低い案件も揃っており、柔軟な働き方を目指す人に適した選択肢となるでしょう。非公開案件が多く、登録者一人ひとりのスキルや稼働条件に合った案件を丁寧に紹介している点も魅力です。
ハイパフォコンサル
「ハイパフォコンサル」は、案件の種類が豊富なエージェントとして知られています。多様な案件の中から自分に合ったものを見つけたい人に適したサービスといえます。業界ごとの案件数も多いため、幅広い選択肢を求める人には理想的でしょう。
サービスの提供開始は2005年で、長い運営歴が信頼感を高めています。登録者数は25,000人を超えており、その実績からも多くのコンサルタントに支持されていることがわかります。初めてエージェントを利用する際に、安心して選べる候補の一つといえるでしょう。
プロフェッショナルハブ
「プロフェッショナルハブ」は、ITコンサルタントやPMO案件を多く取り扱っているエージェントです。特にIT分野に強みを持つため、専門的なスキルを活かしたい人にとって魅力的な選択肢といえます。非公開求人も多く、他では見つからない優良案件に出会える可能性が高い点が特徴的です。
高単価案件の取り扱いが豊富であるため、収入アップを目指す人にも適しています。さらに、案件参画後のフォローや税務関連のサポートも充実しており、福利厚生の手厚さが際立っています。このようなサポート体制は、副業からフリーランスへの転身を考える際にも大きな安心材料となるでしょう。
Strategy Consultant Bank
「Strategy Consultant Bank」は、戦略や業務コンサルティング案件を取り扱うエージェントサイトです。2021年に創業した新しいサービスで、案件の中には月間単価170万円以上の高額なものもあり、高収入を目指したい人にとって有力な選択肢です。さらに、特化した分野の案件が多く、専門性を活かして効率よく稼げる環境を提供しています。
まとめ
副業でフリーコンサルタントを始めることは、自身のスキルを活かして収入を増やすだけでなく、新たなキャリアの可能性を広げる素晴らしい方法です。まずは自己分析やこれまでの経歴の整理・レジュメの制作を行い、自分が提供できる価値を明確にしましょう。ある程度整理したら、案件紹介サービスのエージェントに面談依頼をし、自分のスキルに合った案件を仲介してもらう方法が効率的です。
自分の強みやフリーコンサルとして働く目的を明確にし、自分に最適な案件に入れるようにすることが重要です。案件例や単価相場を参考に、自分のスキルを活かせるプロジェクトを見つけてください。
副業を成功させるためには、本業とのバランスを保ち、質の高いアウトプットを提供することが欠かせません。また、税務上のトラブルを防ぐために、収入や経費を適切に管理し、確定申告を忘れないようにしましょう。健康を維持するために、意識的に休息を取り、長期的なパフォーマンスを確保することも大切です。
フリーコンサルプラットフォームを活用する場合は、複数のサービスに登録し、スキルマッチな提案をしてくれる・自分に合ったものを探すことが中長期的に見て効果的な方法です。自分のスキルを活かしつつ、計画的に副業を進め、理想のキャリアを実現しましょう。