sap認定コンサルタント資格とは?種類一覧や勉強方法を紹介

sap認定コンサルタント資格とは?種類一覧や勉強方法を紹介

SAP認定コンサルタント資格は、SAP製品の専門知識を証明する国際的な資格であり、IT業界において高い評価を受けています。

企業の基幹システムを扱うプロフェッショナルとしてのスキルを証明できるため、キャリアアップや転職を目指すエンジニアにとって有力な選択肢となるでしょう。

本記事では、以下の内容について詳しく解説します。

将来像を具体的にイメージできるような内容をお届けするため、SAP認定コンサルタントの資格取得を検討している人はぜひ参考にしてください。

目次

sap認定コンサルタントとは?

SAP認定コンサルタントとは、SAP社が提供するERP(基幹業務システム)に関する専門資格です。

企業の会計や人事・販売管理などを統合するSAPシステムの導入・運用を支援するスキルを証明します。

SAP認定コンサルタント資格を取得すると、SAPを活用する企業やITコンサルティングファームでのキャリアの幅が広がります。

企業がSAPを導入する際に課題を分析し、適切な設定や運用を提案することが可能です。

特に大企業やグローバル企業ではSAPの導入が進んでおり、専門知識を持つコンサルタントの需要は高まっています

しかし、SAPコンサルタントの需要は業界や市場の動向によって変動するため、常に最新の状況を把握することが重要です。

以下のような方法でSAP認定コンサルタントの需要を確認しましょう。

  • 求人サイトでの検索
  • SAPジャパンの資格取得者ランキングを確認
  • 人材サービス企業の取り組みを確認
  • LinkedInや転職エージェントを活用
  • SAP関連のフォーラムやイベントに参加

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sap認定コンサルタントの資格取得を目指すべき人の特徴

SAP認定コンサルタントの資格取得を目指すべき人の特徴は、以下の通りです。

  • IT業界で3〜5年の実務経験がある人
  • キャリアアップを目指している人
  • 専門性を高め、高収入を狙いたい人
  • 将来的に独立を視野に入れている人

SAPシステムは企業の基幹業務を支えるため、基本的なIT知識や業務プロセスの理解が求められます。

例えば、システムエンジニアとして業務システムの開発や運用を経験していると、SAPの仕組みをスムーズに理解できます。

また特定の業務領域に深い専門知識を持つため、一般的なITエンジニアよりも高収入を得られる可能性が高いです。

特に、SAPの導入経験が豊富なコンサルタントは市場価値が高く、プロジェクトごとに高額な報酬を得るケースもあります。

さらに資格を取得すると、フリーランスや独立コンサルタントとしての道にも進みやすいです。

企業のSAP導入支援を請け負い、1件あたり数百万円のコンサルティング契約を結べることもあります。

スキルを磨けば、自分のペースで働きながら高収入を得ることもできるでしょう。

SAP認定コンサルタントは、IT業界での経験を活かし、より高度なキャリアを築きたい人に適した資格です。

sap認定コンサルタント資格を取得するメリット

SAP認定コンサルタント資格を取得すると、以下のようなメリットがあります。

  • 市場価値の向上
  • 高収入を狙える
  • キャリアの選択肢が広がる
  • 専門性が身につく

SAPは世界的に導入が進んでおり、日本国内でも多くの企業が活用していますが、SAPの導入・運用を担える人材は不足しているのが現状です。

資格を持つことで、専門知識を証明でき、転職市場での評価が高まるでしょう。

また前述した通り、平均年収が上がりやすく、経験を積めば年収800万円〜1,500万円ラインを目指せます。

海外案件に関わる機会もあるため、英語スキルがあれば外資系企業や海外プロジェクトで活躍できる可能性があるのもメリットです。

さらに資格取得のために専門知識を身に着けることで、経営視点を持ったITコンサルタントとして成長できます。

SAP認定コンサルタント資格を取得することで、キャリアの可能性が広がり、より高収入な働き方を実現できるでしょう。

sap認定コンサルタント資格の種類【分野別】

SAP認定コンサルタント資格は、大きく分けて以下の3つの分野に分類されます。

資格カテゴリ主な役割
アプリケーションコンサルタント業務プロセスの設計・改善
デベロップメントコンサルタントSAPシステムの開発・カスタマイズ
テクノロジーコンサルタントシステム基盤の構築・運用管理

SAP認定コンサルタント資格は、自身の専門分野やキャリアの方向性に応じて選ぶことが重要です。

どの分野で強みを活かせるかを考え、適切な資格取得を目指しましょう。

アプリケーションコンサルタント

アプリケーションコンサルタントは、企業の業務プロセスを最適化するために、SAPの各モジュールを活用する役割を担います。

モジュール担当業務
FI(財務会計)財務・会計管理
CO(管理会計)原価管理・利益分析
SD(販売管理)受注・出荷・請求管理
MM(在庫・購買管理)購買・在庫管理
PP(生産管理)生産計画・実行管理
HCM(人事管理)人事・給与計算

アプリケーションコンサルタントは、業務知識とITスキルの両方が求められます。

特に、業務の流れを理解し、SAPの標準機能を最大限に活用するスキルが重要です。

デベロップメントコンサルタント

デベロップメントコンサルタントは、SAPシステムのカスタマイズや追加開発を担当します。

主な業務内容は以下の通りです。

  • SAPのプログラム言語(ABAP)を用いた開発
  • 既存のSAP機能のカスタマイズ
  • システム連携(API・EAIツールの活用)
  • ユーザーインターフェースの改善(Fiori/UI5)

SAPの標準機能だけでは業務要件を満たせない場合に、独自の開発が求められます。

開発経験のあるエンジニアがキャリアアップを目指す際に有利な資格です。

テクノロジーコンサルタント

テクノロジーコンサルタントは、SAPシステムのインフラや運用管理を担当します。

  • SAPシステムの導入・構築(SAP Basis)
  • クラウド環境(SAP BTP、AWS、Azureなど)の設計・運用
  • データベース管理(HANAなど)
  • セキュリティ・アクセス管理

SAP環境を安定して運用するための知識が求められます。

特に、システムのパフォーマンス最適化や、クラウド移行の支援を行うケースが多いです。

sap認定コンサルタント資格の種類【難易度別】

SAP認定コンサルタント資格は、難易度ごとに以下の3つのレベルに分かれています。

スクロールできます
資格レベル難易度対象者必要なスキル・経験
アソシエイト★☆☆SAP未経験者基本的なSAP知識
スペシャリスト★★☆特定領域の専門家専門分野の深い理解
プロフェッショナル★★★実務経験豊富なエキスパートプロジェクト実績・高度なスキル

 アソシエイト

アソシエイト資格は、SAPの基本知識を持つことを証明する資格です。

SAPをこれから学ぶ人や、実務未経験でもチャレンジしやすいレベルとされています。

項目詳細
対象者・SAP未経験者
・基本知識を学びたい人
難易度★☆☆
試験内容・基本的なSAPの概念
・モジュールの概要
・システム操作
試験形式選択式問題中心

例えば、「SAP S/4HANAの基本操作を理解する」「販売管理(SD)の基本プロセスを学ぶ」といったテーマが試験範囲となります。

これらの知識は、企業のSAPユーザーやITエンジニアがSAPプロジェクトに関わる際の基礎として役立ちます。

SAPの基礎知識を証明し、キャリアの第一歩を踏み出すために適した資格です。

 スペシャリスト

スペシャリスト資格は、特定の業務領域や技術分野に特化した知識を証明する資格です。

SAPの基本を理解した上で、さらに専門的なスキルを深めたい人に適しています。

項目詳細
対象者・1年以上のSAP実務経験者
・特定分野の専門家を目指す人
難易度★★☆
試験内容・特定モジュールの詳細設定
・業務プロセスの最適化
・システムカスタマイズ
試験形式実践的なケーススタディを含む

例えば、「SAP FI(財務会計)モジュールの設定」「人事管理(HCM)における給与計算の最適化」など、特定分野の業務課題を解決する知識が問われます。

資格を取得すると、企業のSAP導入や運用の現場で、より専門的な役割を果たせるでしょう。

 プロフェッショナル

プロフェッショナル資格は、SAPの高度な知識と実務経験を持ち、プロジェクトの設計・導入をリードできる人向けの資格です。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支えるSAPエキスパートとしての証明になります。

項目詳細
対象者・3年以上のSAP導入経験者
・コンサルタントやプロジェクトリーダーを目指す人
難易度★★★
試験内容・システムの全体設計
・プロジェクトマネジメント
・業務改善戦略の立案
試験形式ケーススタディ・記述問題を含む

例えば、「SAP S/4HANAの導入計画を策定する」「販売管理(SD)と生産管理(PP)の統合プロセスを設計する」といった実際の業務に即した高度な内容が問われます。

プロフェッショナル資格を取得すれば、大規模なSAP導入プロジェクトでのリーダーや、企業のDX推進役として活躍する道が開けます。

sap認定コンサルタント資格の受験費用

前提として、SAP認定コンサルタント資格の受験費用は、試験の種類や受験する国によって異なります。

一般的な費用の目安は以下の通りです。

資格レベル受験費用 (目安)
アソシエイト約40,000~50,000円
スペシャリスト約50,000~60,000円
プロフェッショナル約60,000~70,000円

ただ受験費用は変更されることがあるため、最新情報はSAP公式サイトで確認するのが確実です。

sap認定コンサルタント資格の受験方法

SAP認定コンサルタント資格は、公式の受験プロセスを経て取得できます。

受験の流れは以下の通りです。

  1. SAP公式サイトで試験登録
  2. 受験方法を選択
  3. 試験当日
  4. 合否発表

まず、SAP Training にアクセスし、希望の試験を選択します。

受験方法は以下いずれかから選択可能です。

  • 自宅やオフィスから行うオンライン試験
  • テストセンターでの受験

試験当日、オンライン試験の場合はカメラ付きPCで受験して監督官の指示に従います。

テストセンター受験の場合は、指定の会場で受験しましょう。

資格によりますが試験時間はおよそ180分ほどが目安です。

試験終了後は、即時または数日以内に結果が通知されます。

受験方法は自分のライフスタイルに合わせて選択できるため、事前に環境を整えて試験に臨みましょう。

sap認定コンサルタント資格取得に向けた勉強方法

SAP認定コンサルタント資格の取得に向けた効率的な勉強方法は以下の通りです。

SAP認定コンサルタント資格の取得には、計画的な学習と実践的な演習が欠かせません。

公式のリソースや過去問を活用しながら、効率よく勉強を進めていきましょう。

SAP Learning Hubを活用する

SAPが公式に提供するオンライン学習プラットフォーム「SAP Learning Hub」の活用がおすすめです。

SAPの公式カリキュラムが含まれており、最新のバージョンや機能の変更に対応しています。

模擬試験を受けられるため、実際の試験形式に近い問題を解くことで試験対策が可能です。

例えば、「SAP S/4HANA Finance」の学習コースを受講すると、演習問題を解きながら実践的なスキルを身につけられます。

またオンデマンド形式でいつでも学習可能なので、仕事をしながら学べる点もメリットの一つです。

SAP Learning Hubは、資格取得を目指す人にとって最も有効な学習リソースといえるでしょう。

SAPの過去問や参考書籍を利用する

SAP認定試験の傾向をつかむためには、過去問や参考書籍を活用するのも効果的です。

試験範囲に対応した書籍や問題集を活用することで、理解を深められます。

  • 過去問
    ⇒試験の出題傾向を把握し、頻出問題に慣れる
  • 参考書籍
    ⇒理論的な背景を理解し、実務での適用方法を学ぶ
  • 実践環境
    ⇒デモ環境を実際に操作して理解を深める

認定試験対策本などを活用しながら、実際に問題を解き、理解を深めるとよいでしょう。

また実務でSAPを使用している場合は、日常業務で学んだ内容を試験勉強とリンクさせることで、より効果的に学習できます。

過去問や参考書を繰り返し解くことで、試験の出題形式に慣れ、自信を持って受験に臨みましょう。

sap認定資格取得後のキャリアパス

SAP認定資格を取得した場合、以下のキャリアパスが考えられます。

コンサルティングファームでのキャリア

大手コンサルティングファームでのキャリア構築が可能となり、SAP導入プロジェクトを担当するコンサルタントとしての役割が期待されます。

キャリアパス仕事内容
SAPコンサルタントクライアント企業へのSAP導入支援
シニアコンサルタントプロジェクトのマネジメント・提案活動
マネージャーSAP戦略立案、チーム管理
パートナーコンサルティング部門の経営層

SAPの知識とコンサルティングスキルを活かし、上流工程の業務に関与できるため、キャリアアップの選択肢が広がるでしょう。

フリーランス・転職の可能性

SAP認定資格は、フリーランスとしての独立や転職においても有利に働きます。

特にSAPの専門知識を持つ人材は需要が高く、様々な業界で活躍のチャンスがあります。

選択肢特徴
フリーランス高単価の案件が多く、柔軟な働き方が可能
他業界への転職製造業・金融業・流通業などでの需要が高い
海外就職グローバルに通用するスキルとして評価される
社内コンサルタント企業内でのDX推進役として活躍可能

SAP認定資格を活かせば、自分の理想のキャリアに近づけるでしょう。

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sap認定コンサルタントはキャリアアップの武器になる

SAP認定資格を取得することで専門知識を証明し、市場価値を向上できます。

コンサルティング業界に限らず、さまざまな業界での活躍が可能です。

企業のデジタル変革が進む中で、SAPの知識はますます求められています。

SAP認定コンサルタントとしてのスキルを磨き続けることで、長期的なキャリアアップを実現できるでしょう。

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この記事を書いた人

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

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