「キャリアの節目で選んだ独立という道」- IT業界のプロが語るフリーコンサルタントへの軌跡

「キャリアの節目で選んだ独立という道」- IT業界のプロが語るフリーコンサルタントへの軌跡

このインタビューでは、IT業界でのキャリアを経て独立へと踏み出した山田翔太さんにお話を伺いました。SIerからコンサルタント、そして独立起業へと至るキャリアパスの実際と、フリーコンサルタントを目指す方へのアドバイスをご紹介します。

この記事の監修者

保知 一也
Acrosstudio株式会社 代表
KPMGコンサルティングを経て、Acrosstudio株式会社を創業。2023年10月に、コンサルティング事業とフリーコンサルへの案件仲介事業を立ち上げ、生成AI領域への事業を拡大。2025年1月時点で正社員数27名・今期売上6億円着地予定

この記事の執筆者

Acrosstudio株式会社
コンサル総研編集部

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

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目次

大手企業でのプロジェクト経験が生きる – ITコンサルタントとしての経歴

Acrosstudio 保知

まず、これまでの経歴についてお聞かせいただけますか?

山田翔太さん

大学を卒業した2015年に、新卒でSIerの大手企業に入社しました。そこでは主にERPパッケージシステムの導入を4年半ほど担当していました。顧客先の業種は製造業、専門商社、ゼネコンなど多岐にわたり、様々な業界を経験しました。要件定義から稼働まで一連のSIの流れをエンジニアとして経験しました。
2019年秋に転職し、コンサルティング会社に移りました。最初の案件は航空会社向けのシステム開発プロジェクトでした。開発側のPMOとして入り、その後は業務側の支援へと立場を変えて同じプロジェクトを約2年弱担当しました。
その後は、通信会社向けのインフラ系プロジェクト、証券会社でのシステム部支援と異なる業界を約1年ほど経験し、再び航空会社のシステム開発プロジェクトでPMOを担当しました。

Acrosstudio 保知

多様な業界・プロジェクトを経験されてきたんですね。どのような案件が特に印象に残っていますか?

山田翔太さん

人間関係で仕事がうまく進む案件が印象に残っています。例えば航空会社の案件では、クライアントやマネージャーと信頼関係を築くことができて長く関わることができました。技術だけでなく、人間関係の部分が案件の継続性にも影響するんだなと実感しています。

独立への決断 – キャリアの転機とその背景

Acrosstudio 保知

独立を決断されたきっかけは何だったのでしょうか?

山田翔太さん

独立はコンサルティング会社に転職後、しばらく経ってから心の中で考えてはいました。コンサルタントとして働いていると、どうしても出口に対する漠然とした不安が頭をよぎります。今は働き盛りでハードな現場でも楽しくやれて日々成長を感じられているが、果たして50〜60歳になった時にはどうなんだろうかと。
実際の独立のきっかけは、ある飲み会で同業の方々と出会ったことでした。そこで「一緒に会社を立ち上げないか」と意気投合し声をかけてもらい、その日のうちに「今の会社を辞めて独立しよう」と決めました。勢いもありましたが、今考えると良いタイミングでの決断だったと思います。このタイミングを逃していたら、おそらく一生独立はしなかったかもしれません。

Acrosstudio 保知

独立を考えている人にとって、タイミングは悩みどころですよね。

山田翔太さん

そうですね。現在は大手コンサルティングファームもホワイト化し給与も右肩上がりのため、どうしても踏み切るタイミングがつかみづらいということもあると思います。

フリーコンサルタントとしてのキャリアパス

Acrosstudio 保知

マネージャーにならずにフリーコンサルになっても、その後のフリーとしてのキャリアパス次第でマネージャークラスとして活躍できる可能性(キャリアアップする可能性)はありますか?

山田翔太さん

あると思います。私自身、独立してからはマネージャー相当としてプロジェクトへ参画していました。フリーランスだからといって単なるワーカーになるわけではなく、プロジェクト全体を見るマネジメント目線を持って働くことが重要です。
例えば、PMOでも単にメンバーとして機械的に資料作成やプロジェクト進行をするのではなく、プロジェクト計画を策定し、マスタスケジュールに沿ったプロアクティブなプロジェクト管理をするなど、マネージャーらしい動きができれば、それに応じた評価をしてもらえる場合が多いです。とはいえ、この業界は経歴証明が重要視される面もあるので、大手ファームでの経験がないとそもそもマネージャー相当としてのアサインはハードルが高いケースもあります。

Acrosstudio 保知

案件獲得の際に、自分のポジションを上げるためにはどのような工夫をされていますか?

山田翔太さん

案件の営業担当と緊密に連携することが重要です。「こういったプロジェクトをリードしていくような案件に入りたいです」、「ポジションと動きに対するバリューも考えて、単価はこれぐらい出ると嬉しいです」といった具合に、自分のスキルと案件要件のすり合わせを行います。一度面談の機会を得られれば、そこで自分の経験やスキルをアピールして、希望する役割・単価での契約を目指します。
フリーランスの強みは、自分で交渉してキャリアをデザインできる点です。大手企業だと人事や現場の状況でトップダウンに決まることも多いですが、フリーランスは強い意志と自力があればキャリアを思い通りにデザインしやすく、直接的に努力が結果に表れるところが魅力です。

独立後の会社運営と今後の展望

Acrosstudio 保知

現在の会社ではどのような方針で運営されていますか?

山田翔太さん

急拡大は望んでおらず、地に足を付けた着実な成長ができる会社を目指しています。現在は9名のメンバーがいますが、会社のポリシーに共感してくれる方に徐々にジョインしていただければと考えています。採用においては経歴と人柄の両面を重視しています。経歴に惹かれて無理に採用するのではなく、人間としての直感も大切にしています。現在はジュニアのメンバーをマネジメントできるレイヤーの採用に注力しています。

Acrosstudio 保知

今後はどのような方向性を考えていますか?

山田翔太さん

将来的には100人規模の会社にできればと考えています。ただし、何年でという明確な期限は設けていません。
最初は3人でスタートして現在9人までメンバーが増えました。会社や社員が成長していくのを見るのはとても嬉しいですね。定期的に懇親会を開いたり、小さいながらもオフィスに集まって仕事をしたりと、この時期、規模だからできるウェットなかかわり、チームの結束も大切にしています。

フリーコンサルタントを目指す人へのアドバイス

Acrosstudio 保知

最後に、フリーコンサルタントを目指している人へのアドバイスをいただけますか?

山田翔太さん

現在の市場は比較的売り手市場だと思います。PM/PMOとしての経験が1年~2年以上あれば、十分にチャンスがあるでしょう。特に戦略やBPRなどの専門性に尖りすぎるよりも、PM/PMOとしての経験があると案件を獲得しやすいと感じています。


編集後記

山田さんへのインタビューからは、キャリアの節目での決断の重要性と、フリーコンサルタントとしての働き方の魅力が伝わってきました。大手企業での経験を活かしながらも、自分自身のキャリアを自ら設計していく姿勢は、フリーランスを目指す多くの方にとって参考になるでしょう。

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この記事を書いた人

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