フリーランスコンサルの年収相場や決まる要素について現役コンサルタントが徹底解説!稼げるコツや注意点も紹介

フリーランスコンサルの年収相場や決まる要素について現役コンサルタントが徹底解説!稼げるコツや注意点も紹介

「フリーランスのコンサルタントに転身したいけど、年収はどれくらいになるのか不安…」「既に独立しているけど、収入をもっと安定させたい」
そんなお悩みを抱えていませんか?フリーコンサルタントは、働き方の自由度や高収入の可能性が魅力ですが、一方で、案件単価や稼働月数といった収入の構造をしっかり理解し、戦略的に行動する必要があります。

この記事では、フリーランスコンサルタントの年収を左右する要素を徹底的に分解し、安定した高収入を得るための具体的な方法を解説します。初めて独立を検討する方はもちろん、既に活動中の方にとっても、今後のキャリア戦略の参考になる内容をお届けします。

本記事では、フリーコンサルタントの年収に影響を与える要素や、年収を上げるための具体的な方法について詳しく解説します。

本記事のまとめ
  • 年収の基本的な構成要素は「①案件単価/月×②稼働月数」で決まる
  • その上で戦略案件かIT案件かなど分野によっても異なる

この記事の監修者

保知 一也
Acrosstudio株式会社 代表
KPMGコンサルティングを経て、Acrosstudio株式会社を創業。事業立ち上げ1年で売上3億円・社員数25名まで事業を拡大。前職におけるSaaS導入支援の経験を基に、SaaS事業のクライアントに対してコンサルティング・組織組成・アジャイル開発・BPO等を専門に支援。

コンサル総合研究所ロゴ画像

この記事の執筆者

Acrosstudio株式会社
コンサル総研編集部

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

目次

そもそもフリーコンサルの年収はどうやって決まる?年収の要素を解説

フリーコンサルの年収を分解しチャートにしたものが以下の図です。

フリーコンサルタントの年収要素

ずばりフリーコンサルの年収は、「どのくらいの月単価の案件(案件単価/月)を、12か月のうちどのくらい長く稼働できるか(稼働月数)」で決まります。案件の単価が大事というは何となく想像がつくと思いますが、なぜ長い期間稼働することが重要なのでしょうか。

フリーコンサルは会社勤めのサラリーマンと異なり安定してもらえる給料は存在せず、受注してこなした案件の分だけ報酬がもらえる完全出来高制です。そのため、案件稼働が多ければ多いほど収入は高くなりますが、逆に案件稼働していない間の給料は0円になります。

そのためフリーコンサルが安定して高収入を得るためには、できるだけ自身が案件稼働をしていない時間を減らす必要があります。

では、年収を決定づける案件単価/月と稼働月数はどのような要素で構成されるのでしょうか。上記のチャートの基本的な見方も合わせて、要素を分解しながら解説していきます。

チャートの見方について

まずはチャートの基本的な見方について説明します。

フリーコンサルタントの年収要素

このチャートはフリーコンサルの年収の構成要素を細かく分解していったものです。一番左をフリーコンサルの年収として、右に行くにつれてどんどん要素が細かくなっていきます。各要素を説明しやすくするため、左から右にかけて縦の各要素を第一群~第四群で整理していますが、直感的なわかりやすさを重視しているため、各群の粒度が揃っていない点についてはあらかじめご了承ください。

また分解の仕方についてはさまざまな切り口が存在しますが、より実態(=フリーコンサルが実際に考慮する単位)に近くなるものを選んでいます。例えば、年収の決まり方は、「一案件の平均総報酬額×一年間でこなした案件数」でも求められますが、一般的なフリーコンサルは一年間にこなす案件数を重要視しておらず、前述の通り一案件で稼働できる期間を重要視しています。そのため、縦の要素が単純に掛け算されてその左の要素が算出されるというわけではない点についてもご了承ください。

続いて各要素の塗分けについてですが、各要素の内容や性質を踏まえ、以下の3つの属性に対応した色を付けています。

  • 案件側要素(水色):案件(及び案件顧客)側に決定権があるもの
  • フリーコンサル側要素(黄緑色):フリーコンサルに決定権があるもの
  • 外部要素(灰色):案件側にもフリーコンサル側にも決定権がないもの

加えて、赤く囲われているものは特に収入への影響が大きい要素です。

上記を踏まえ、改めて基本的なチャートの見方について以下でまとめますので、記事を読むときの参考にしていただければと思います。

  • チャートは左から右にかけて細かくなっていく
  • 実態に近い形で分解しており、各要素はその構成要素の単純な掛け算であらわされるわけではない
  • 各要素はその内容ごとに色塗されており、赤く囲われているものが収入への影響が特に大きい

フリーコンサルの年収要素①案件単価/月ついて

年収の構成要素は「①案件単価/月×②稼働月数」に分解できますが、ここでは案件単価/月について解説していきます。

理論上は、ひと月にもらえる案件の単価を上げようと思うと、一つの案件の単価を上げること以外に、複数の案件を掛け持ちすることも考えられますが、基本的にフリーランスの案件においては、100%稼働を求める場合が95%以上であるため、案件の稼働は100%を前提として複数案件の掛け持ちは考慮しないこととします。

案件内容について

案件単価/月の構成する最も大きい要素は、もちろん案件内容です。ここでいう案件内容とは、案件自体の難易度だけでなく、案件の性質に依存しない案件の背景も含めています。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-案件内容について

難しい案件であればあるほど案件単価も高くなるイメージがあると思います。実際にその通りなのですが、案件難易度が具体的に何で構成されているかというと、案件で求められる専門性、役割(職位)、案件規模、労働環境及び条件です。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-案件内容について

案件で求められる専門性について、例えば会社全体の方向性に大きな影響を与える事業計画策定や組織再編などの戦略領域は経営全体からの視点が求められるため、案件の難易度が高いと考えられています。また同じ領域内でも特に深い知見や高い技術が求められる場合は、高い報酬が設定されます。

案件で求められる役割について、案件内での役割の階層が上がるほど管理する人数や案件への責任が大きくなりますので、難易度も高くなると言えます。なお、基本的にフリーランスになってからしばらくは、前職のファームでの最終職位と同等の役割を求めている案件しか受注できません。

案件規模について、大規模案件になると顧客側の予算も多くなるため、結果としてフリーコンサルに支払われる報酬額も大きくなる傾向にあります。

労働環境及び条件について、例えば都心から少し離れたオフィスにフル出社を求める案件は、リモートワークが週3回許される案件に比べて人気が無くなってしまうため、報酬を引き上げることで補われます。また案件が既に炎上している場合や極端に厳しい納期が設定されている場合では、ハードワークが求められるため報酬が高くなりやすいです。

案件難易度の構成要素の中でも特に案件で求められる専門性と役割(職位)の二つについて、この二つの掛け合わせで顧客が提示する案件単価のほとんどが決まるといっても過言ではないので、これからフリーランスになろうと考えている方はまずフリーランスになる前に自身の専門性を十分に深めて役職もできるだけ引き上げることをお薦めいたします。

続いて案件内容を構成するもう一つの要素である案件背景についてご説明いたします。案件の難易度以外で案件に関する要素をここでは背景と定義しています。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-案件内容について

背景の中で価格に影響を与える要素の一つとして顧客の規模があります。一般的に顧客の規模が大きければ大きいほど予算をたくさんつけられるため報酬額が上がりやすくなる傾向にあります。もちろん顧客の規模が倍になったからと言って報酬が倍になるというわけではないので、案件の難易度の構成要素に比べると単価への影響は小さいです。

続いて商流の深さについてご説明できればと思いますが、商流と言われてもフリーコンサルとして働いた経験をお持ちでない方はあまりピンとこないと思いますので、まずはフリーコンサルが案件を受注するまでの流れ(=商流)を簡単にご説明いたします。

フリーコンサルが案件を受注する方法は大きく二つあり、一つ目は自力で顧客を探して直接案件を獲得する方法、二つ目は案件の仲介会社を経由して獲得する方法です。一つ目は、ファーム時代の顧客と直接コミュニケーションを取って契約してもらう等、自分がコンサルティングサービスを提供する顧客と案件を全て自力で獲得することを指します。この場合、顧客とのリレーションや自身の営業力が強くないと安定的に案件が取れなくなってしまう上に、少数の顧客に売上を依存してしまうリスクもあります。

二つ目は、フリーコンサル用案件マッチングプラットフォームに登録し、仲介会社に案件の紹介から登録までを仲介してもらうことを指します。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-案件内容について

フリーコンサルに仕事を頼みたい会社(事業会社または事業会社から案件を受注したプロフェッショナルファーム)がいる場合にその会社が自力で理想のフリーコンサルを見つけることは難しいので、たくさんのフリーコンサルと接点を持っている仲介会社に人材探しを依頼します。フリーコンサル側はマッチングプラットフォームに登録するだけで安定的に案件獲得のチャンスが得られるので、フリーコンサルのほとんどがこの二つ目の方法を中心に生計を立てています。そのため本記事でも二つ目の方法を前提としています。

話を戻すと、商流の深さとは、案件を発注している顧客(一般的に「エンドクライアント」と呼びます)とフリーコンサルの間にどれほど仲介が存在するかということを指します。仲介会社から案件を紹介される場合は、顧客が案件のために確保した予算から仲介会社に支払う費用を差し引いた金額がフリーコンサルの報酬額となる仕組みになっているため、仲介会社が入ってしまうとその分フリーコンサルの報酬が減ることになります。さらに、世の中にはたくさんの仲介会社が存在していて、仲介会社が他の仲介会社に人材探しを依頼することもあるため、フリーコンサルの案件仲介業界は多重下請け構造になっていると言われています。そのため、同じ案件を複数の仲介会社から紹介されることもよくあり、その場合は当然エンドクライアントに近い(=商流が浅い)仲介会社から案件を請け負う方が報酬は高くなります。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-案件内容について

顧客が案件を発注してからフリーコンサルのもとに話が来るまでに決まる要素であり完全に外部要素ですが、意外と報酬への影響も大きいため、案件選択の際のご参考にしていただければと思います。

市場環境について

続いて案件内容以外の要素についてご説明します。案件単価は案件側が全て決めていると思われがちですが、少ないながらも案件側以外の要素も絡み合って決定されています。

まず市場環境についてご説明しますが、完全に外部要素なので簡単に済ませます。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-市場環境について

世の中の同じスキルを持ったフリーコンサルの数が一定で案件数が減ってしまった場合(=類似案件数が少ない)は、一つ当たりの案件の人気度が高まって案件側の力が強まるため、報酬が下がりやすくなります。逆に同じスキルを持ったフリーコンサルの数が少ない場合(=対象人材数が少ない)は案件側が人材の確保に困ることから、報酬が上がると考えられます。つまり市場環境とは需要と供給の話ですが、類似案件も対象人材数も日本全体の景気や産業全体の動向等のマクロ環境によって左右されるため、個人レベルでは動かしようがない要素です。

単価交渉力について

続いて単価交渉力についてご説明します。

フリーコンサルタントの案件単価/月の要素-単価交渉力について

この単価交渉力の第三群以降について、自力で案件獲得する場合は内容が変わってきますが、本記事では実態に近い形で情報をお届けするため、前述の通り世の中の大半のフリーコンサルに当てはまる仲介会社経由での案件獲得を前提としています。

もし報酬を上げてくれと顧客または仲介会社にお願いをすることができ、それを通すことができれば、もちろんフリーコンサルの年収も上がります。毎回単価交渉ができるわけではないですが、フリーコンサル側が強い単価交渉力を有している場合は交渉できることもあります。単価を交渉する力を高めるには、応募者(フリーコンサル)に強い引き合いがあるか、あるいは応募者の代わりに案件側と交渉してくれる担当営業が優秀か、のいずれかが必要です。

フリーコンサルは通常案件を探すときは複数の案件に並行して応募し、受かった案件の中で最も良い条件の案件に入ります。そのため応募者側に並行案件がなく選択の余地がない場合には交渉力は弱まります。また応募者の経歴だけでなく面談での印象なども含め、応募者が強い魅力を持っていて、顧客がどうしても入ってほしいと思うのであれば、多少の報酬の上昇は受け入れられるでしょう。

担当営業の腕について、通常仲介会社を経由して案件を紹介してもらうときは、その仲介会社に顧客とのコミュニケーションの仲介や折衝を担当する営業を付けてもらえますが、その担当営業が顧客と強い信頼関係を結べている場合や、営業力が非常に高い場合には、応募者の代わりに顧客からより良い条件を引き出してくれる可能性もあります。

単価を交渉する場合は、慎重にコミュニケーションをとらないと、顧客からの印象が悪くなってしまったり、提供業務のハードルが上がってしまったりする可能性もありますので、十分にご留意ください。

ここまでがフリーコンサルの年収を決める要素のうちの半分である、案件単価/月に関する説明でした。

フリーコンサルの年収要素②稼働月数ついて

続いて、年収の構成要素「①案件単価/月×②稼働月数」稼働月数について解説していきます。

稼働月数とは、1年間のうち、フリーコンサルが案件稼働をできた期間の合計を指します。稼働月数は1年間で何個の案件(受注案件数)に入れて、それらがどの程度続いたか(一案件あたりの継続期間)、で考えます。

稼働月数とは、1年間のうち、フリーコンサルが案件稼働をできた期間の合計を指します。稼働月数は1年間で何個の案件(受注案件数)に入れて、それらがどの程度続いたか(一案件あたりの継続期間)、で考えます。

フリーコンサルの年収要素②稼働月数ついて

なお、「①案件単価/月」の箇所でもお伝えした通りですが、基本的にフリーコンサルは一年間に数多くの案件を受注することよりも、一つの案件をできるだけ長く続けることを重要視しています。その理由は、フリーコンサルが案件を獲得する不安定さと、案件に入れていない期間の収入が0円になってしまうからです。

一案件当たりの継続期間について

一案件当たりの継続期間は、案件の前提と案件での活躍によって決まります。

フリーコンサルの年収要素②稼働月数ついて

フリーコンサルが募集されるような案件では、募集され始める時点で案件自体に終了する時期が定められていることが一般的で、その時期を超えてフリーコンサルが雇われることは通常ないため、案件の前提がフリーコンサルの稼働期間のベースとなります。

一方で顧客がフリーコンサルに期待していた仕事とフリーコンサルが持っているスキルが実はマッチしていなかったり、フリーコンサル自身のパフォーマンスが芳しくなかったりして、案件でフリーコンサルが活躍できなかった場合、案件途中で契約が切られることもあり得ます。もちろん、素晴らしい活躍をした場合は、(案件が続く限りにおいて)顧客から契約期間の延長を求められたり、別の案件でも声をかけてもらえたりすることもあります。

受注案件数について

続いて受注案件数についてご説明します。フリーコンサルが案件を受注するためには、案件を見つけて応募し、書類審査と面接を合格する必要があるため、受注案件数は、応募案件数、合格率、受注率の3つの要素で決まります。

フリーコンサルの年収要素②稼働月数ついて

フリーコンサルは自身が入っている案件が終わるタイミングで、次に入る案件を探しますので、長く稼働している案件に入っている場合は必然的に受注案件数も少なくなります。つまり一案件当たりの継続期間と受注案件数はトレードオフの関係にあるため、両者を掛け合わせた数値を12に近づけることが、安定して収入を得るうえで重要なポイントです。

応募案件数について

応募案件数は、世の中にある自身の経歴やスキルで対応が可能な案件(=対応可能案件数)のうち、実際に自身が見つけて(=発見率)応募に至った数(=応募率)ということです。

フリーコンサルの年収要素②稼働月数ついて

対応可能件数は、世の中の全てのフリーコンサル向けの案件数と、自身が対応可能な領域の外注されやすさとの掛け合わせで成り立っています。前者の世の中全ての案件数は、前回の市場環境のパートでお伝えした通り、マクロ経済の動向次第で増減します。一方で後者の外注されやすさについては、対応領域の性質が大きくかかわってきます。例えば、企業のDX化や業務効率化の波を受けてIT関連の案件は世の中に多く存在し、かつ案件現場で必要とされる案件遂行のための人材は外注も含めた形でチームアップされやすいため、結果としてITコンサルを求める案件数も数多く市場に出回っています。一方でM&A関連の領域は、世の中の案件数が多かったとしても秘密保持が重要となることから同じ会社内でチームアップを完結させることが多いため、結果としてフリーコンサルを求める案件数もIT領域に比べると少ないです。

発見率は、自身がどれほど精力的に案件を探すかによって変わってきますが、基本的にはたくさんのマッチングプラットフォームに登録し、多くの仲介会社にコネクションを持つことで、発見率を上げることができます。

応募率は、見つけた案件にフリーコンサルが応募に踏み切るかどうかだけなので完全にフリーコンサル側の意志によりますが、自身の働き方や報酬面に関する要望が多い場合は必然的に低くなります。

合格率について

続いて合格率です。応募した案件に高い確率で合格できれば、自分が受注する案件に複数の選択肢が生まれ、よりよい条件で働くことが望めます。逆に合格率が低い場合は、案件を受注するまでに時間がかかる可能性が高く、稼働月数への影響も大きくなります。

フリーコンサルの年収要素②稼働月数ついて

合格率を決めるうえで最も重要な要素は、案件の要件と応募者の経歴のマッチ度です。案件を進めるうえで求められているスキルを持っていないフリーコンサルが案件を受注できることはないため、自身の経歴やスキルにあった案件に応募しましょう。

応募者の評価について、案件を受注するまでの過程で書類審査をパスしたフリーコンサルは元請ファームやエンドクライアントと面談を実施し、コミュニケーション能力や人となりを確認されます。どれほど高いスキルを持っていたとしても人格に難があると判断された場合は当然落とされてしまいます。

案件の人気度について、案件側は仲介会社を経由して案件には入れるコンサルタントを募集しますが、案件の条件が良い場合はたくさんのフリーコンサルが応募してくるため、必然的に合格率も下がることになります。

クライアントの好みについて、最終的に応募してきたフリーコンサルの中から誰を選ぶかは案件側の担当者に委ねられるため、個人の好みが合格率に影響を与えることは否めません。

担当営業の腕について、前述の通り案件ごとに仲介会社の担当営業がつくことになりますが、その担当営業が顧客と信頼関係を築けていて、顧客から“担当営業はちゃんとしたフリーコンサルを仲介してくれる”と思われていれば、応募者への印象も間接的に良くなります。

受注率は、フリーコンサルが合格した案件を受けるかどうかで決まる要素で、基本的には1つの案件で100%稼働することが前提なので、同時に合格している案件数が多ければ受注率は必然的に下がります。通常はフリーコンサル自身の稼働の希望や並行で合格した案件の条件等を加味して受注するか否かを決めます。

これまでの内容を踏まえ、フリーコンサルの年収について以下で総括します。

  • フリーコンサルの年収は、大きく捉えると、どのくらいの単価の案件で1年のうち何か月働き続けることができたかできまる。
  • フリーコンサルの年収を構成する案件単価と稼働月数は、数多くの要素によって成り立っている。フリーコンサルの年収は基本的に自身の頑張り次第で高くなりうるが、自身以外の要因によっても上下する

分野別フリーコンサルの想定年収を徹底開発!

フリーコンサルタントの年収は、専門分野によっても大きく異なります。以下では、各分野のフリーコンサルタントの想定年収について詳しく解説します。

戦略コンサルタント

戦略コンサルタントは、企業の長期的な戦略やビジネスモデルの策定を支援する専門家です。特に、企業のトップマネジメントとの連携が求められるため、高いコミュニケーション能力と分析力が必要です。

戦略コンサルタントの年収は約1000万円から2000万円とされていますが、大手企業のプロジェクトを手掛ける場合はそれ以上の収入を得ることも可能です。

IT系/システム導入系コンサルタント

IT系コンサルタントは、企業の情報システムの導入や改善をサポートする専門家です。特に、クラウドコンピューティングやサイバーセキュリティなどの分野では高い需要があります。

平均的なIT系コンサルタントの年収は約800万円から1200万円とされていますが、プロジェクトの規模や難易度によってはそれ以上の収入を得ることも可能です。

総合系/業務系コンサルタント

総合系コンサルタントは、企業の業務プロセス全般を改善する専門家です。業務効率化やコスト削減、業務フローの最適化など、多岐にわたる業務を行います。

総合系コンサルタントの年収は約700万円から1300万円程度ですが、特に大規模な企業のプロジェクトでは更に高額な報酬を得ることもあります。

マーケティングコンサルタント

マーケティングコンサルタントは、企業のマーケティング戦略を策定し、実行をサポートする専門家です。デジタルマーケティングやブランド戦略など、多岐にわたる分野で活動します。

マーケティングコンサルタントの年収は平均的に600万円から1000万円程度ですが、成功したキャンペーンやプロジェクトによっては更に高い報酬を得ることも可能です。

人事・組織コンサルタント

人事・組織コンサルタントは、企業の人材管理や組織開発を支援する専門家です。採用プロセスの改善や人材育成プログラムの導入など、多岐にわたる業務を行います。

人事・組織コンサルタントの年収は500万円から900万円程度ですが、大規模な企業のプロジェクトでは更に高額な報酬を得ることもあります。

財務・会計コンサルタント

財務・会計コンサルタントは、企業の財務戦略や会計プロセスの改善を支援する専門家です。企業の財務状況の分析や、資金調達のアドバイスなどが主な業務です。

財務・会計コンサルタントの年収は約800万円から1500万円と幅広く、担当するクライアントの規模やプロジェクトの内容によって異なります。

Web系コンサルタント

Web系コンサルタントは、企業のウェブサイトの最適化やオンラインマーケティング戦略の策定を支援する専門家です。SEO対策やコンテンツマーケティング、Eコマース戦略などが主な業

務です。

Web系コンサルタントの年収は500万円から1000万円程度ですが、成功したプロジェクトによっては更に高い報酬を得ることも可能です。

職位別フリーコンサルの想定年収を徹底開発!

フリーコンサルタントの年収は、職位や経験年数によっても大きく異なります。以下では、各職位のフリーコンサルタントの想定年収について詳しく解説します。

コンサルタント

コンサルタントは、フリーコンサルタントとしてのキャリアのスタートラインに立つ存在です。一般的に、先輩コンサルタントのサポートを行いながらスキルを磨いていきます。

コンサルタントの年収は300万円から500万円程度ですが、経験を積むことで徐々に収入が増えていきます。

シニアコンサルタント

シニアコンサルタントは、一定の経験とスキルを持つ中堅コンサルタントです。プロジェクトのリーダーとして活動することも多く、高い専門性を発揮します。

シニアコンサルタントの年収は600万円から1200万円程度と幅広く、担当するプロジェクトやクライアントの規模によって異なります。

マネージャー

マネージャーは、プロジェクトの全体を統括し、クライアントとの関係を築く重要な役割を担います。プロジェクトの成功に直結するため、高い報酬を得ることが可能です。

マネージャーの年収は800万円から1500万円程度ですが、大規模なプロジェクトを担当する場合は更に高額な報酬を得ることもあります。

シニアマネージャー/パートナー

シニアマネージャーやパートナーは、フリーコンサルタントとしてのキャリアの頂点に立つ存在です。自らクライアントを獲得し、大規模なプロジェクトを主導します。

シニアマネージャーやパートナーの年収は1500万円以上が一般的で、成功したコンサルタントは数千万円を稼ぐことも珍しくありません。

フリーランスコンサルタントの契約/報酬形態

フリーコンサルタントの契約形態や報酬形態は多岐にわたります。以下では、主な契約形態とその特徴について詳しく解説します。

プロジェクトベース契約

プロジェクトベース契約は、特定のプロジェクトに対して契約を結ぶ形態です。プロジェクトの期間や内容に応じて報酬が支払われます。

この契約形態では、短期間で高収入を得ることが可能ですが、プロジェクト終了後に次の案件を見つける必要があります。

時間単位契約

時間単位契約は、労働時間に応じて報酬が支払われる形態です。安定した収入を得やすいですが、長時間労働となることもあります。

この契約形態は、クライアントとの関係を築きやすく、長期的な案件につながることが多いです。

成功報酬型契約

成功報酬型契約は、成果に応じて報酬が支払われる形態です。プロジェクトが成功した場合、高額な報酬を得ることができます。

リスクはありますが、成果を出すことで大きな報酬を得られるため、やりがいのある契約形態と言えます。

フリーコンサルが年収を上げるために抑えておくポイントと営業戦略

フリーコンサルタントが高年収を目指すためには、戦略的なアプローチが必要です。以下では、年収を上げるためのポイントと営業戦略について解説します。

商流を上げる・ネットワーキングとリファラル

商流を上げることで、より高額な報酬を得ることができます。ネットワーキングを通じて新しいクライアントを獲得することも重要です。既存のクライアントからの紹介(リファラル)も有効な手段です。

定期的に業界イベントに参加したり、オンラインでのネットワーキングを活用することで、新しいビジネスチャンスを見つけることができます。

ニッチ市場・専門性の開拓

ニッチ市場を開拓することで、競争を避けつつ高収入を得ることができます。特定の分野や業界に特化することで、専門性を高めることが重要です。

例えば、特定の業界に特化したITコンサルタントや、特定のマーケティング手法に特化したコンサルタントなどが挙げられます。

バイネーム/長期で指定されるような関係構築

バイネームとは、クライアントから直接指名されることを指します。長期的な信頼関係を築くことで、安定した収入を得ることができます。

クライアントとの関係を深めるためには、定期的なコミュニケーションや成果を出すことが重要です。

自己ブランディング

自己ブランディングを行うことで、専門家としての認知度を高めることができます。ブログやSNSを活用して、自身の知識や実績を発信することが重要です。

また、専門書の執筆や講演活動を行うことで、信頼性を高めることができます。

定期的なスキルアップ

定期的なスキルアップを行うことで、常に最新の知識と技術を身につけることが重要です。研修やセミナーに参加することで、新しいスキルを習得しましょう。

また、自己学習を継続することで、専門分野での競争力を維持することができます。

フリーコンサルの年収に関するよくある質問

フリーコンサルタントとして働く上で、年収に関する疑問や悩みはつきものです。以下では、よくある質問とその対策について解説します。

年収が不安定な時の対策は?

フリーコンサルタントの収入は時期や案件によって不安定になることがあります。こうした状況に対処するためには、複数の収入源を持つことが重要です。

例えば、定期的なコンサルティング契約や、副業を持つことで、収入の安定性を高めることができます。

税金対策はどうすればいい?

フリーコンサルタントとして働く場合、自営業者としての税金対策が重要です。経費を適切に計上し、節税対策を行うことで、手取り収入を増やすことができます。

また、税理士に相談することで、より効果的な税金対策を行うことができます。

副業としてフリーコンサルは可能?

副業としてフリーコンサルタントを行うことは可能です。特に、会社員として働きながら、副業としてコンサルタント業を行うことで、収入を増やすことができます。

ただし、本業とのバランスを考慮し、無理のない範囲で行うことが重要です。

副業としてフリーコンサルタントを検討している人は「副業でフリーコンサルタントの始め方!注意点やおすすめのエージェントサイトを紹介!」の記事もチェック!

収入源を多様化する方法は?

収入源を多様化することで、収入の安定性を高めることができます。例えば、オンラインコースの販売や、専門書の執筆などが挙げられます。

また、コンサルティング以外にも、講演活動やワークショップの開催など、多岐にわたる収入源を持つことが有効です。

まとめ:フリーコンサルで高年収を目指すために

フリーコンサルタントとして高年収を目指すためには、様々な要素を考慮する必要があります。

出身ファームや職位、案件の種類や契約形態、クライアントの規模、スキルと専門性など、多くの要因が収入に影響を与えます。

また、商流を上げることやネットワーキング、自己ブランディング、定期的なスキルアップなど、戦略的なアプローチが必要です。

これらのポイントを押さえることで、フリーコンサルタントとしての成功を収めることができるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

目次