コンサルタントは、クライアントの課題を解決することで社会やビジネスの発展に貢献する仕事です。
自己成長や高収入といった個人としてのやりがいも大きい職業ですが、その一方で厳しい環境での努力やスキルの向上が求められるでしょう。
本記事ではコンサルタントという職業にフォーカスし、そのやりがい・魅力について現役コンサルタントが実体験を交えて詳しく解説していきます。
「コンサルタントを目指している」「コンサルタントの仕事について知りたい」と考えている人に必見です。
厳しい仕事環境でやりがいを持ち続ける方法や向いている人の特徴についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の監修者
保知 一也
Acrosstudio株式会社 代表
KPMGコンサルティングを経て、Acrosstudio株式会社を創業。事業立ち上げ1年で売上3億円・社員数25名まで事業を拡大。前職におけるSaaS導入支援の経験を基に、SaaS事業のクライアントに対してコンサルティング・組織組成・アジャイル開発・BPO等を専門に支援。
この記事の執筆者
Acrosstudio株式会社
コンサル総研編集部
Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。
コンサルタントのやりがい8選
コンサルタントの仕事には他の職種にはないやりがいが数多く存在しますが、今回は下記の8つの観点から掘り下げて解説します。
- クライアントの課題解決で達成感を得られる
- 基礎的なビジネススキルが身につく
- 高収入が期待できる
- 複雑で挑戦的な課題に取り組める
- 高いスキルを持つ人材と働ける
- 成果が目に見えやすい
- 多様な業界・業界経験を積むことができる
- グローバルな規模で働ける
やりがいを詳しく知ることで、コンサルタントという職業の魅力をより深く理解できるでしょう。
クライアントの課題解決で達成感を得られる
コンサルタントの最大のやりがいの1つは、クライアントの課題を解決することで得られる達成感です。
コンサルタントはクライアントが抱える複雑な問題を整理し、的確な解決策を提示する役割を担います。
その結果、業績の向上や組織改革が成功した際にはクライアントから感謝の言葉を受け取ることもあるでしょう。
例えば売上が低迷していた企業に対して新しいマーケティング戦略を提案し、それが売上拡大につながった場合にはその成功体験はコンサルタントにとって大きな喜びとなります。
クライアントの課題を自分の問題のように捉えて取り組む姿勢が、仕事に対するモチベーションをさらに高めてくれるでしょう。
クライアントの成功に直接関わり、その成果を共有できる点が、コンサルタントとして働く上での大きな魅力です。
基礎的なビジネススキルが身につく
コンサルタントとして働くことで、ビジネスの基礎的なスキルを体系的に学ぶことができます。
業務を通して論理的思考力・問題解決能力・プレゼンテーションスキル・クライアントとの交渉力など、ビジネスにおいて不可欠なスキルが磨かれる職業です。
コンサルタントはクライアントの課題を解決するために、情報を収集・分析して最適な解決策を提示します。
このプロセスを繰り返す中で論理的に物事を考える力や、仮説を構築して検証する能力が自然と身についていくでしょう。
クライアントやチームメンバーと頻繁にコミュニケーションを取るため、説得力のある伝え方や効果的な議論の進め方を学ぶことが可能です。
コンサルティングの経験を通じて身につけたスキルは、将来のキャリアにおいて強力な武器となります。
高収入が期待できる
収入の高さも、コンサルタントとして大きなやりがいの1つです。
大手コンサルティングファームに勤務する場合、一般的な職種と比べて高い報酬が期待できます。
新卒で入社した場合でも初任給が高めに設定されていることが多く、経験を積むことでさらに高い収入を得ることが可能です。
フリーランスのコンサルタントとして独立した場合には、案件ごとに高額な報酬を得ることもできます。
ただしその分だけ専門知識・スキルそして成果を出し続ける責任が求められるため、努力を惜しまない姿勢が必要です。
報酬に見合った働き方を求められますが、成果が収入に直結することはさらなるやりがいやモチベーションを感じることに繋がるでしょう。
複雑で挑戦的な課題に取り組める
コンサルタントの仕事には、常に新しい課題や問題が待ち構えています。
クライアントが直面する課題は非常に多岐にわたり、時には他の職業では経験できないような複雑で挑戦的な問題に取り組むこともあるでしょう。
例えば急速に変化する市場環境に対応するための戦略策定や新規事業の立ち上げ支援などの課題は、非常に難易度が高いですがその分やりがいも大きいです。
挑戦的な環境で仕事をすることは時にプレッシャーを感じることもありますが、それを乗り越えるたびに自信とスキルが向上します。
上記のような環境での経験はコンサルタントだけでなく、どのような職業でも通用する強い基盤となるでしょう。
高いスキルを持つ人材と働ける
コンサルティング業界には、難関大学を卒業したエリートや特定の分野で専門知識を持つプロフェッショナルが多く集まります。
高いスキルを持つ人たちとチームを組むことで、自分の能力を磨く機会を得ることが期待できるでしょう。
例えば、豊富な実務経験を持つ先輩からプロジェクトマネジメントの手法を教わることが可能です。
多様なバックグラウンドを持つメンバーと意見交換をすることで、自分では思いつかなかった視点やアイデアを吸収できるでしょう。
上記のような環境で働くことは自己成長に繋がるだけでなく、仕事に対するモチベーションを高めてくれます。
優秀な人材と共に築いたネットワークは、将来のキャリアにおいても大きな財産となるでしょう。
成果が目に見えやすい
コンサルタントの仕事の特徴として、成果が目に見えやすい点が挙げられます。
コンサルティングのプロジェクトの成果は、多くの場合売上増加やコスト削減といった具体的な数値として現れることが一般的です。
例えば業務プロセスの改善を提案して実施後に生産性が20%向上した場合、その結果はプロジェクトの成功として記録されます。
具体的な成果は、クライアントから感謝や評価を受ける大きな要因となり、自身の仕事に対する誇りとモチベーションに繋がるでしょう。
目に見える成果は次のプロジェクトへの自信となります。
成果の可視性は、コンサルタントとしてのやりがいを深く感じられる理由の1つです。
多様な業界・業界経験を積むことができる
コンサルティングのプロジェクトは多種多様な業界や企業に関わるものが多く、短期間で様々な分野の知識や経験を得られるでしょう。
例えば小売業界のマーケティング戦略に取り組んだ後、製造業の効率化プロジェクトに参加するなど、全く異なる業界の課題を解決する機会があります。
このように幅広い業界を経験することで、自分自身の市場価値が高まり、将来的なキャリア選択の幅が広がるのです。
特定の業界に特化して専門知識を深めることも可能でしょう。
例えばIT業界や医療業界などの成長が期待される分野での経験を積むことで、その分野のスペシャリストとしての地位を築けます。
多様な業界を経験できるコンサルタントのキャリアは、変化が激しい現代のビジネス環境において非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
グローバルな規模で働ける
グローバルな規模で活躍できるチャンスがあることは、コンサルタントとして働く上で大きなやりがいになるでしょう。
大手のコンサルティングファームでは、海外のプロジェクトや多国籍企業のクライアントに対応する機会が豊富にあります。
例えば海外進出を目指す日本企業の戦略立案に携わったり、海外現地法人の業務改善をサポートするプロジェクトに参加することも。
経験を通じて、国際的なビジネス感覚や語学力、異文化理解力を磨くことも可能です。
グローバル規模で働くことは個人としての成長だけでなく、キャリアの選択肢を広げることにも繋がります。
国際経験を持つことで海外企業での勤務や、グローバルマーケットを視野に入れた独立など将来的に多様なキャリアパスが見えてくるでしょう。
コンサルタントとして働く魅力
コンサルタントとして働く魅力は「やりがい」だけでなく、「成長の機会」や「社会への貢献」にもあります。
複雑な課題に取り組む中で自分自身のスキルが磨かれるだけでなく、クライアント企業やその先の社会に対しても価値を提供できるのが大きな魅力。
成果が目に見えやすい仕事であるため、努力が無駄にならないことを実感しやすいのもポイントです。
グローバルなプロジェクトに参加することで、異文化に触れながら自己成長を実現する機会も得られます。
コンサルタントという仕事は個人としてもプロフェッショナルとしても、挑戦し続ける人にとって魅力的なキャリアパスです。
【現役コンサルトに聞く!】働く上での厳しさとは
コンサルタントという職業は多くのやりがいや魅力がある一方で、厳しさを伴う仕事です。
そこで今回は経験者の意見を基に、働く上での厳しさを具体的に紹介します。
コンサルタントとしての厳しさの全てはクライアントファーストに起因しており、主に下記のような点が挙げられるでしょう。
- 成果に対してシビア
- 常に自己研鑽が求められる
- 残業時間が長くなる
業務においてコンサルタント個々の能力が求められるため(コンサルだけでなく無形商材に当てはまる内容)、成果に対してシビアになることが多いでしょう。
高い報酬を貰っているため期待値も大きく、常に自己研鑽が求められる点も厳しさの1つです。
具体例として休日にプロジェクトに関する知見を高める勉強をしたり、積極的に資格取得に励むコンサルタントが多いことなどが挙げられます。
またクライアントにより良い提案をすべく、夜遅くまで思考することもあるため残業時間が長くなることもあるでしょう。
仕事の質にこだわり、何度も資料修正や上司のレビューを夜遅くまで実施することで勤務時間が長引くことも。
コンサルタントとしてやりがいを保ちながら働くには、業務上での厳しさに上手く付き合っていくことが必須です。
様々な状況に対応するために強いメンタルや自己管理能力、そしてスケジュールを効率的に調整する力などを養うことが必要になるでしょう。
コンサルとしてのやりがいを持ち続けるためには
コンサルタントとして長期的にやりがいを感じ続けるためには、下記のように重要なポイントがあります。
- 自分なりの目標やビジョンを持つ
- クライアントとの信頼関係を築く
- チームワークを大切にする
- 適切な自己管理とバランスを保つ
- 自己成長を定期的に振り返る
モチベーションを維持するには明確な目標設定や良好な人間関係、そして自己成長の意識が欠かせません。
仕事の厳しさやプレッシャーを乗り越え、コンサルト業務に上手く付き合っていくためにもぜひ参考にしてください。
自分なりの目標やビジョンを持つ
コンサルタントとしてのキャリアを充実させるには、明確な目標やビジョンを持つことが重要です。
例えば「5年後に特定の業界の専門家になる」「将来的に独立してフリーランスとして働く」といった中長期的な目標を設定してみましょう。
目標を持つことで自分がどの方向に進むべきかが明確になり、プロジェクトの厳しい局面に直面してもモチベーションを維持しやすくなります。
具体的で測定可能な目標を設定することが、やりがいを持ち続けるための大きな助けとなるでしょう。
クライアントとの信頼関係を築く
クライアントとの信頼関係は、コンサルタントとしての成功に欠かせません。
どれだけ優れた提案を行っても、クライアントがその価値を信じてくれなければ実行には至らないでしょう。
誠実で透明性のあるコミュニケーションを心がけ、クライアントの立場に立って課題に取り組む姿勢を見せることが大切です。
信頼関係を築くことでクライアントから感謝や評価を受けることが増え、コンサルタントとしてのやりがいを感じる機会が多くなります。
クライアントからのリピート案件や紹介が増えることも、キャリアの安定と発展に繋がるでしょう。
チームワークを大切にする
コンサルティングのプロジェクトは、チームで進行することがほとんどです。
良好なチームワークを築くことが非常に重要なため、お互いの強みを活かして役割分担を明確にすることでプロジェクトの効率性が向上するでしょう。
チーム内での信頼関係やコミュニケーションが円滑であるほど、難しいプロジェクトも成功しやすくなります。
協力し合いながら目標を達成したときの達成感は、コンサルタントとしてのやりがいをさらに高めてくれるでしょう。
適切な自己管理とバランスを保つ
多忙なコンサルタントの仕事を長く続けるためには、適切な自己管理が欠かせません。
仕事とプライベートのバランスを保つことが、特に重要です。
プロジェクトの進行が忙しい時期でも、自分の体調や精神状態を整えるための時間を確保することが必要になります。
例えば定期的に運動をしたり趣味に時間を使ったりすることで、ストレスを発散してリフレッシュできるでしょう。
自己管理を徹底することで仕事に対する集中力が高まり、効率的に業務を進めることが可能になります。
自己成長を定期的に振り返る
コンサルタントとしてのやりがいを感じ続けるためには、自己成長を定期的に振り返る習慣を持つことが重要です。
過去のプロジェクトを振り返り自分が学んだことや改善すべき点を明確にすることで、次のプロジェクトに活かすことができます。
成功体験だけでなく、失敗経験も振り返ることが大切です。
失敗から得られる学びは非常に大きく、それを次に活かすことでさらに成長できます。
振り返りの時間を定期的に設けることで、自分の成長を実感しながら働き続けることができるでしょう。
コンサルタントに向いている・やりがいを感じやすい人とは
コンサルタントとして成功するためには、特定の資質や特長が求められることが多いです。
主に下記4つの特徴を持つ人は、コンサルタントとしてやりがいを感じながら活躍できる可能性が高いでしょう。
- 論理的思考力が高く、課題解決に喜びを感じる人
- 新しい知識を学ぶことが好きな人
- 変化に柔軟に対応できる人
- コミュニケーション能力が高い人
コンサルティング業務では課題を論理的に分解し、根本的な原因を見つけ出す力が求められます。
論理的思考力が高い人は問題を整理して解決策を導き出すプロセスに楽しさを感じることが多いため、この仕事に向いているでしょう。
コンサルタントは様々な業界や企業の課題に取り組むため、常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。
最新の業界動向やビジネススキルを積極的に学ぶ意欲がある人は忙しい仕事の中でも自己研鑽を楽しみ、プロフェッショナルとしてのスキルを磨くことができるでしょう。
コンサルティング業務は、クライアントやプロジェクトごとに状況が大きく異なります。
予期せぬ状況にも柔軟に対応できる人はストレスを感じることなく円滑に仕事を進めることができ、変化を前向き捉えればどの環境でもやりがいを持って働けるでしょう。
クライアントやチームメンバーと綿密に連携を取ることや、自分の意見をわかりやすく伝えることはコンサルタントとして重要です。
人と接することが好きで相手のニーズに寄り添った対応ができる人は、クライアントとの信頼関係を築きやすく仕事の成果を出しやすいでしょう。
自分が当てはまるかどうか、ぜひ一度振り返ってみてください。
別記事では現役コンサルタント視点で「コンサルタントに向いている人はどんな人?必要なスキルや具体的な仕事内容なども紹介」を解説しているのでチェックしてみてください。
コンサルタントのやりがいを活かしてキャリアを築こう
コンサルタントとしてのやりがいを理解し、それを活かしてキャリアを築くことは非常に魅力的な選択肢です。
この職業で培ったスキルや経験は、他の職業でも通用する汎用性の高いものになります。
自分の成長や成果を実感しながら働きたい人にとって、コンサルタントという仕事は理想的なキャリアと言えるでしょう。
コンサルタントとしての経験を土台に他業界への転職や独立など、多様なキャリアパスを描くことができます。
まずは、コンサルタントとしてのやりがいをしっかりと感じ取り、自分の可能性を広げていく第一歩を踏み出しましょう。
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