SAPコンサルタントとは?仕事内容や資格、将来性について解説

SAPコンサルタントとは?仕事内容や資格、将来性について解説

SAP」とは企業の業務プロセスを効率化するための統合業務ソフトウェアですが、SAPコンサルはこのSAPというソフトウェア導入・運用を支援する業務を行っております。

実は近年SAPコンサルタントの需要が急速に高まっており、市場価値が高い・収入が高いと注目を浴びています。

この記事では、SAPそのものの概要から、SAPコンサルタントの具体的な業務内容、魅力、将来性について現役SAPコンサルタントが詳しく解説します。

この記事の監修者

保知 一也
Acrosstudio株式会社 代表
KPMGコンサルティングを経て、Acrosstudio株式会社を創業。2023年10月に、コンサルティング事業とフリーコンサルへの案件仲介事業を立ち上げ、生成AI領域への事業を拡大。2025年1月時点で正社員数27名・今期売上6億円着地予定

この記事の執筆者

Acrosstudio株式会社
コンサル総研編集部

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

目次

そもそもSAPとは?

SAPの公式サイト情報
引用:SAP公式サイト

ドイツに本社があるITのソフトウェア会社の「SAP社」が提供している「SAP」は、世界各国の大企業がビジネス効率を高めるために導入を検討しているERP(統合基幹業務システム)です。IT会社としては、Micosoftや、Oracle、IBMに次ぎ4位の売上規模があり、世界的にも大きな会社です。

SAPは、会計・人事・調達・生産・販売・サプライチェーン管理(SCM)など企業の基幹業務を統合し、一元的なデータ管理と業務の効率化を実現します。1972年にドイツで創業して以降、S/4HANAなど新しいソリューションを継続的に展開してきました。

リアルタイム分析によるコスト削減やスピーディーな意思決定にも寄与し、多国籍企業だけでなく国内の大規模事業者にも広く導入され、ERP市場での優位性を評価されています。(基幹系システムの領域では世界トップシェアを獲得)

SAPコンサルタントとは?

SAPロゴ

SAPコンサルタントは、企業がSAPシステムを導入・運用する際に業務プロセスの最適化とシステムの構築を支援するプロフェッショナルです。

SAPの導入は2~3年からかかると言われていますが、SAPコンサルタントは、導入・運用するために企業の業務プロセスを理解し、最適なSAPソリューションを提案・実装します。

また、SAPコンサルタントは、システムのカスタマイズや保守、ユーザー教育なども担当し、企業がSAPを最大限に活用できるよう支援します。そのため、SAPコンサルタントには業務プロセスに関する深い知識に加え、システムの設定、インターフェース設計、アドオン開発などの技術スキルも求められます。

SAPコンサルタントの具体的な業務内容も本記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

なぜ多くの企業がSAPを導入するのか?

SAPが多くの企業で採用されている理由には、いくつかの要因があります。以下では、その主要な理由について詳しく解説します。

業務プロセスの標準化とグローバル対応

SAPは、企業の業務プロセスを標準化することにより、効率的な運営を可能にします。これにより、異なる部署や拠点間での情報共有がスムーズになり、業務の一貫性が保たれます。また、多くの国際企業がSAPを導入する理由の一つに、グローバル展開に適したシステム設計と、各国の法規制(コンプライアンス)への対応が容易であることが挙げられます。

リアルタイムでのデータ管理

SAPは、リアルタイムでのデータ管理を可能にします。これにより、経営陣は迅速な意思決定ができるようになり、ビジネスチャンスを逃さずに対応できます。また、データの一元管理により、正確な情報を基にした分析が可能になります。

柔軟なカスタマイズ性

SAPは、企業の業界やビジネスモデルに応じた柔軟なカスタマイズが可能です。企業のニーズに合わせて柔軟にシステムを変更・拡張できるため、特定の業界やビジネスモデルに適したソリューションを提供できます。この柔軟性が、多くの企業に支持される理由の一つです。

SAPコンサルタントの仕事内容

SAPは導入までに約3年くらいかかると言われており、主にSAPの導入、カスタマイズ、保守の3つに分けられます。各フェーズごとにSAPコンサルタントの業務内容は変わるため、フェーズ毎に詳しく解説いたします。

SAP導入

SAPコンサルタントの最初の仕事は、企業にSAPを導入することです。これには、要件定義、導入計画の策定、システム設計・設定、開発、テスト(単体テスト、結合テスト、総合テスト、ユーザ受入テスト)、ユーザー教育、本番稼働などが含まれます。導入プロセスは複雑で、多くのステークホルダーとの調整が必要です。

SAPのカスタマイズ

SAPは、標準機能が充実していますが、企業ごとに異なる業務要件に対応するためにカスタマイズ(アドオン開発・システム設定変更)することが可能です。SAPコンサルタントは、企業の業務プロセスを理解し、最適なカスタマイズを提案・実施します。これには、システム設定の変更、アドオン開発、インターフェースの設計などが含まれます。

SAPの保守

SAPシステムの運用が開始されると、保守作業が必要になります。SAPコンサルタントは、システムの安定稼働を確保するための保守作業を行います。これには、定期的なバージョンアップ対応、問題発生時のトラブルシューティング、ユーザーサポートなどが含まれます。

SAPコンサルとSAPエンジニアの違い

SAPコンサルタントとSAPエンジニアは、どちらもSAPに関連する職種ですが、その役割には大きな違いがあります。SAPコンサルタントは、主に企業の業務プロセスに対するコンサルティングを行い、システムの導入やカスタマイズを担当します。

一方、SAPエンジニアは、主に技術的な側面を担当します。具体的には、SAPの設計・開発・テスト・保守を行います。SAPエンジニアは、プログラミングやシステムアーキテクチャに関する深い知識とスキルが求められます。

SAPコンサルタントのやりがいや魅力

SAPコンサルタントは、高度な専門知識を活かして企業の成長に貢献できるやりがいのある職種です。以下では、その具体的な魅力について解説します。

専用コンサルタントとして活躍できる

SAPコンサルタントは、SAPの専門知識を持つプロフェッショナルとして活躍できます。FI(財務会計)、SD(販売管理)、MM(在庫管理)、PP(生産管理)などの各モジュールに特化したスペシャリストとしてプロジェクトに関与し、その成功に貢献することで、キャリアを広げる道もあります。

クライアントが世界的な大企業

SAPは世界中の大企業で導入されているERPシステムであり、多国籍企業のプロジェクトに関与する機会も多いです。これにより、グローバルな視点を持ちながら、海外拠点との協働を経験し国際的なビジネススキルの習得することができ、国際的なビジネススキルも磨かれます。

上流の経験が詰める

SAPコンサルタントは、システム導入の要件定義や業務プロセス設計などの上流工程から関与するため、上流工程の経験を豊富に積むことができます。これにより、プロジェクトマネジメントや戦略的思考のスキルが向上します。

高い市場価値と安定したキャリア

SAPの市場価値は年々高まっており、特にSAP S/4HANAへの移行需要の増加により、SAPコンサルタントの市場価値も上昇しています。これにより、高い報酬やキャリアの安定性が期待できます。

SAPコンサルタントの将来性は?

SAPコンサルタントの将来性は非常に高いと言えます。デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、企業の業務効率化やデータ活用のニーズが増加しています。これにより、SAPの導入や最適化を支援するSAPコンサルタントの需要も引き続き高まると予想されます。

さらに、AIやIoTなどの先端技術との統合が進む中で、SAPの活用範囲はますます広がっています。これにより、SAPコンサルタントの役割も進化し続け、新たなビジネスチャンスが生まれるでしょう。

まとめ

この記事では、SAPコンサルタントの概要、仕事内容、魅力、将来性について詳しく解説しました。SAPコンサルタントは、高度な専門知識を持ち、企業の成長に貢献できるやりがいのある職種です。また、需要が高まっているため、市場価値も非常に高いです。

SAPコンサルタントを目指す方は、この記事を参考にして、必要な知識やスキルを身につけ、キャリアを築いていってください。将来性のあるこの職種で、あなたも企業の成功に貢献できるプロフェッショナルとして活躍しましょう。

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この記事を書いた人

Acrosstudio株式会社所属の現役コンサルタントがコンサル総研編集部として記事の執筆・編集を行う。これまでのコンサルでの実務経験を元に読者の皆様へコンサル業界のリアルを発信することを心がけている。

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